シンガポール・フライヤー
地図で見ると、マリーナ・スクエアからシンガポールはすぐ近く。
歩いてもすぐかと思って、建物の外に出て歩いてみたが、都心によくありがちな複雑なビルの谷間で、どっちがどっちだかよくわからない。
仕方なくタクシーをつかまえ、シンガポール・フライヤーまで乗って行った。
この時点でもう20時半くらいで、私はくたくた。
それに私は高所恐怖症だし、観光名所というのにそれほど興味もないので、はっきり言ってもうシンガポール・フライヤーなんてどうでも良かったのだが、この巨大な観覧車を息子がすごく楽しみにしていて、どうしても行くと言ってきかなかったのだ。
しかも世界最大規模なだけあり、入場料も高い。
大人一人29.5ドル、子どもも20.65ドルもするのだ。
さすがに近くで見ると、巨大ですごい観覧車だ。
入場料を払い、観覧車の乗り場まで通路を進んでいく。
待っている間もお客さんを飽きさせないような面白い仕掛けが色々あった。
でも私は疲れて早く乗って帰りたかったので、他にお客さんもほとんどいなかったので、さっさと歩いて通り過ぎる。
乗り場までくると、巨大なゴンドラが目の前に回ってきて、迫力がある。
エアコン完備の28人乗りというが、観覧車のゴンドラとは思えない大きさだ。
それとたしかこのフライヤー、あの黒川記章さんがデザインに関わっていたはず。
さすがだなー。
夜ですいていたため、けっこうすぐ乗れた。
空いていたせいか、1つのゴンドラに私たち家族と、もう一組の欧米人の母親+二人の子どもの家族だけだった。
広いゴンドラ内に7人だけだと、かえって寂しくて不安になった。
混んでいて分けわかんないうちに終わってしまったほうが、高所恐怖症の私としてはありがたい。
この観覧車は、約30分かけて1周する。
徐々に上がっていくにつれ、シンガポールの華やかな夜景が下に見えてくる。
私の恐怖もどんどん上がっていく。
やっぱり何度乗っても観覧者って、「本当に落ちないのかな」という不安はぬぐいきれず、下に戻ってくるまで不安なものだ。
このときも怖くて怖くて仕方なかった。
しかも広いゴンドラだから自由に歩きまわれるし、ガラス張りの壁の一部が破れて子どもが落ちちゃったらどうしよう、なんてしょうもないことばかり考えてしまうから、ぜんぜん気の休まるときがなかった。
でもまあ確かに夜景はきれいだった。
近くにあの有名な“マリーナ・ベイ・サンズ”のホテルも見えて、それなりに楽しめた。
2歳の娘は「怖い〜、怖い〜」なんて言いながら嬉しそうにゴンドラ内を走り回ったりしていた。
子どものほうが怖いもの知らずで強い。
地上に近づいてくると、やっと一安心。
ここなら万が一落ちてもケガで済むかな、と。
一度乗ったので、息子もこれで満足だろう。
観覧車から降りて、建物の下をタクシー乗り場に向かっているとき、ちょっとした屋台外みたいなフードコートみたいな場所を見つけた。
屋外だけどフードコートみたいできれいそうだし、雰囲気も良かったので、ここでご飯も食べても良かったかもしれないと思った。
まあ後の祭りだが。
タクシー乗り場に行くと、長い列ができていた。
そしてぜんぜんタクシーは見当たらない。
こんな有名な観光地なのに、ここはタクシーがあまりいないところなのだろうか。
しばらく待ち、やっと順番が来てタクシーでホテルに帰った。
チャイナタウンのホテルまではけっこうあるのかと思ったけど、これがまた意外に近かった。
やっぱりシンガポールは小さい国なので、全てがコンパクトにまとまっているのかもしれない。
タクシー代も安くて助かった。
子どもたち二人はさすがに疲れ果てたみたいで、タクシーの中で熟睡。
ホテルに着いてタクシーから抱っこして降ろしてベッドに移しても起きなかったほど。
私もくたくただ。
みんなシャワーも浴びず、そのまま倒れこむようにベッドに寝てしまった。
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